【4月9日 AFP】オーストラリアの全国紙オーストラリアン(The Australian)が9日、政府の支持率の世論調査を発表し、マルコム・ターンブル(Malcolm Turnbull)首相率いる与党・保守連合(自由党、国民党)は30回連続で野党・労働党に敗北した。ターンブル氏は、トニー・アボット(Tony Abbott)前首相が退任すべき理由として同じ世論調査での30回連続敗北を挙げており、自らの首を絞める結果となってしまった。

 ターンブル氏は2015年9月に行われた自由党の党首選でアボット氏に勝利し、首相に就任。その際にターンブル氏は、オーストラリアン紙が掲載する世論調査「ニュースポール(Newspolls)」での党の30回連続敗北を引き合いに出し、アボット氏の退陣を求めていた。

 以来、ターンブル氏は評論家らからこの発言についてたびたび指摘され、2019年に予定されている総選挙を前に支持率で労働党を上回れずにいることから、アボット氏からも批判されている。

 ターンブル氏は9日、ニュースポールの世論調査についての過去の発言を「後悔している」と述べた。その上で「私が公約したのは経済的な指導力を発揮することと、伝統的な議会政治を行うことであり、私はこのどちらも果たした」と自らを正当化した。

 さらに、自身は党からの支持は維持していると主張。労働党が政権を握った場合は「税金が高く、反企業的な政府」になると強調した。

 穏健派とされるターンブル氏は、党内の強硬派らの反対により自身の政策を推進できずにいる。(c)AFP