ブラジルのルラ元大統領、出頭の意向表明も支持者が阻止
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【4月8日 AFP】(更新)ブラジルの元大統領で、収賄罪で禁錮12年の有罪判決を受けたルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)氏(72)は7日、支持者数千人を前に演説し、出頭して刑期を開始する意向を表明した。ルラ氏は演説後、出頭しようとしたが、支持者らが同氏の立てこもっていた建物の門を封鎖するなどして出発を阻止した。
同国の汚職事件を担当するセルジオ・モロ(Sergio Moro)判事は5日、ルラ氏に対し、収監のため24時間以内に警察に出頭するよう命じたが、同氏はこれに従わず、サンパウロ近郊の地元サンベルナルドドカンポ(Sao Bernardo do Campo)にある金属労働組合の建物で2日間にわたり籠城を続けていた。
ルラ氏は7日、人間の盾として建物を取り囲んでいた支持者らの前に姿を現し、1時間に及ぶ演説を実施。自身が大手建設業者からリベートとして高級マンションを贈られたとのモロ判事の判決は「うそ」だと主張する一方、「出頭命令には従う」と述べた。
ルラ氏は同国左派の象徴的存在で、法的問題を抱えているにもかかわらず、今年10月のブラジル大統領選の有力候補でもある。同氏が脱落すれば、選挙戦の行方は不透明化するとみられる。
世論調査でルラ氏に次ぐ2位の支持率を獲得しているのは、極右派の元陸軍将校ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)氏。
ルラ氏は熱弁をふるうなかで、同国の裁判所と巨大複合メディア企業が、同氏の出馬阻止を目的とする右派のクーデターに加担していると非難した。
ルラ氏は演説後、支持者に担がれて組合建物内に戻った。AFP通信の記者によると、その後、ルラ氏は出頭するため車で出発しようとしたが、支持者らが車周辺に殺到したほか、組合建物の門を封鎖して混乱となり、同氏は車を降りて再び建物に戻った。
支持者の群衆は建物周辺で座り込みを続けており、暴徒化する可能性もあることから、同氏がいつ、どこで出頭するのかは見通せない状況となっている。(c)AFP/ Carola SOLE with Sebastian SMITH in Rio de Janeiro