【4月7日 AFP】（更新）ブラジルの元大統領で、収賄罪で禁錮12年の有罪判決を受けたルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ（Luiz Inacio Lula da Silva）氏（72）は6日、収監に向けた出頭命令に応じなかった。

　同国の汚職事件を担当するセルジオ・モロ（Sergio Moro）判事は5日、ルラ氏に対し、収監のため南部クリチバ（Curitiba）の警察署への24時間以内の出頭を命じていた。

　だがルラ氏はサンパウロ（Sao Paulo）近郊の地元サンベルナルド・ド・カンポ（Sao Bernardo do Campo）にある金属労働組合の建物に立てこもり、6日午後5時（日本時間7日午前5時）の出頭期限を過ぎた現在も声明を出していない。

　ルラ氏は、10月に予定されているブラジル大統領選で有力候補となっており、同氏が籠城する建物の周囲には支持者ら数千人が集結。警察が身柄拘束に踏み切れば、大規模な騒ぎが起きることは必至だ。

　ルラ氏が逃亡者とされれば逮捕状が出される可能性があるが、緊張を和らげようと苦慮している当局は、ルラ氏は逃亡者には当たらないと強調している。

　今後の展開ははっきりしないが、ルラ氏の出身母体である労働党（PT）の複数の政治家によると、現在ルラ氏の弁護団と警察の間で交渉が行われており、労働党は交渉の行方を見守っている。判事が逮捕を命じれば状況が悪化する恐れがあるため、そのような事態を避けるべく交渉が続いている。(c)AFP/Carola SOLE with Sebastian SMITH in Rio de Janeiro