【4月7日 AFP】シリアの首都ダマスカス近郊の東グータ(Eastern Ghouta)地区で6日、反体制派が支配する最後の町ドゥマ(Douma)に対する空爆が1週間以上ぶりに再開し、民間人32人が死亡した。これに先立ち、同地区からの反体制派撤退をめぐる交渉は滞りを見せていた。

 東グータ地区はかつて反体制派が拠点としていたが、ロシアの支援を受けたシリア政府軍が激しい空爆や撤退交渉によりほぼ全域を奪還。反体制派の支配域は、数万人の住民を抱える同地区最大の町ドゥマのみとなっている。

 ロシア政府は1日、ドゥマを掌握する武装勢力「ジャイシュ・アル・イスラム(Jaish al-Islam、イスラム軍)」との合意を発表。3日間で3000人近い戦闘員と民間人が、バスでドゥマからシリア北部に退避した。

 しかしその後、ジャイシュ・アル・イスラム内部で撤退をめぐる対立が起きたとみられ、退避は停滞。6日午後に約10日ぶりのドゥマ空爆が実施された。

 在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によれば、爆撃は数十回に及び、ドゥマの多くの場所に着弾。一部はロシアの戦闘機が実施したとされる。

 同NGOのラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表によると、今回の空爆で少なくとも民間人32人が死亡し、うち7人は子どもだった。さらに約50人が負傷したという。

 国営シリア・アラブ通信(SANA)は空爆について、反体制派がドゥマから実行した砲撃への報復だと報道。砲弾はダマスカス近郊の数か所に着弾し、4人が死亡、十数人が負傷したと伝えた。一方のジャイシュ・アル・イスラム側は、ダマスカス近郊への砲撃は一切行っていないと主張している。(c)AFP/Maya GEBEILY