【4月6日 AFP】映画『火垂るの墓(Grave of the Fireflies)』(1988)などの作品で知られるアニメーション監督でスタジオジブリ(Studio Ghibli)の共同設立者の高畑勲(Isao Takahata)氏が5日、都内の病院で死去した。82歳だった。日本メディアが6日、報じた。

 NHKは関係者の話として、高畑氏が都内の病院で亡くなったと報じた。

『かぐや姫の物語(The Tale of the Princess Kaguya)』(2013)は2014年のアカデミー賞(Academy Awards)長編アニメ賞にノミネートされた。第2次世界大戦(World War II)中の戦争孤児の兄と妹を描いた『火垂るの墓』は高畑氏の最高傑作とされている。

 高畑氏は三重県生まれ。1959年に東映動画に入社し、長きにわたる盟友でライバルでもある宮崎駿(Hayao Miyazaki)監督と出会った。

 1985年、宮崎氏らと複数の大ヒット作を世に送り出すことになるスタジオジブリを共同設立した。

 高畑氏と宮崎氏は、友でありライバルでもあるとメディアでよく取り上げられていた。自然と人の関係を描いたSFアドベンチャー映画『風の谷のナウシカ(Nausicaa of the Valley of the Wind)』(1984)では、高畑氏がプロデューサーを、宮崎氏が監督を務めた。

 高畑氏は人気アニメの「アルプスの少女ハイジ(Heidi, Girl of the Alps)」や「ルパン三世(Lupin the Third)」に関わったことでもよく知られている。

 高畑氏は政治活動も行っており、2013年には約250人の映画人と共に特定秘密保護法案に反対する声明を出した。(c)AFP