十字架背負って徒歩200キロ、高額な戦闘機調達に抗議 クロアチア
このニュースをシェア
【4月6日 AFP】クロアチアの男性が5日、重さ20キロの木製の十字架を背負って200キロの道のりを歩き切り、首都ザグレブに到着した。イエス・キリスト(Jesus Christ)の受難の道行きを思わせる旅の目的は、重病の子どもたちの医療ケアに充てる予算はないといいながら戦闘機の調達には莫大な出費もいとわない政府に対する抗議だという。
サシャ・パブリッチ(Sasa Pavlic)さん(43)は、キリスト教のイースター(Easter、復活祭)の前日に当たる先月31日にクロアチア北部の港町リエカ(Rijeka)を出発。「十字架の道(Way of the Cross)」と題した抗議行動を開始した。
軍の近代化を図るクロアチア政府は今月初め、3億9000万ユーロ(約510億円)でイスラエルから一個中隊分のF16戦闘機を購入する計画を決定している。
「戦闘機には何十億も出せるのに医療費に充てる財源はないと言われた子どもたち全員とその親のために、十字架を背負った」とパブリッチさん。5日、ザグレブの官庁街の広場に到着し、子どもたちや重病の子の親たち、支援者ら数十人の出迎えを受けた。
その後、アンドレイ・プレンコビッチ(Andrej Plenkovic)首相と面会したパブリッチさんは「メッセージを届けた。私の任務は完了した」と述べた。小さな会社を営むパブリッチさんは、高額の医療費がかかる子どもは自分にはおらず、今回の抗議は個人的な動機によるものではないと語っている。
クロアチアは人口およそ420万人の90%近くをローマカトリック教徒が占め、社会の中で教会が重要な役割を果たしている。(c)AFP