【4月5日 AFP】ブラジル連邦最高裁は5日、収賄罪で禁錮12年の有罪判決を受けたルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)元大統領による人身保護令状の請求を却下し、収監を認める判断を下した。今年10月の大統領選で再選を目指すルラ氏は世論調査で首位に立っており、選挙の行方に大きな影響を及ぼしそうだ。

 ブラジル史上最大の支持率を誇ったルラ氏は2003~10年の大統領在任中、公共事業委託と引き換えに地場建設大手から海岸沿いにある3階建てマンションを受け取った収賄罪に問われている。昨年の一審で有罪判決を受け、控訴審でも禁錮12年1月の有罪判決を言い渡されたため、現行法では上訴した場合でもただちに収監される。

 しかし、ルラ氏は上訴中の収監を免れるため、服役の延期を求めて最高裁に人身保護令状を請求していた。

 最高裁判事11人は4日から5日にかけて10時間を超える審議の結果、服役の延期は「刑事免責につながる可能性がある」として反対6票、賛成5票でルラ氏の請求を却下した。ルラ氏は数日中に収監される可能性がある。(c)AFP