英文学賞、候補作家の出身を「台湾」に再変更
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【4月5日 AFP】英国の権威ある文学賞「マン・ブッカー賞(Man Booker Prize)」の国際部門「国際ブッカー賞(Man Booker International Prize)」にノミネートされた台湾人作家の国籍表記が「台湾」から「中国、台湾」に変更された問題で、主催者側は表記を「台湾」に戻したことを明らかにした。
呉明益(Wu Ming-yi)氏が中国語で書き、英語に翻訳された「単車失窃記(The Stolen Bicycle、英題は、盗まれた自転車、の意)」は同賞の候補13作品のうちの一つに選出された。呉氏は、同賞のウェブサイトに表記された自身の国籍が「台湾」から「中国、台湾」に変更されたことに抗議していた。
ロンドンを拠点とする同賞の主催団体は当初の表記変更について、在英中国大使館が苦情を寄せたことによって行ったこと明らかにした。表記変更により主催団体は、中国政府からの圧力に屈したとの批判を受けていた。
だが主催団体は4日、関係者らや英政府に助言を求めた後、表記を「台湾」に戻すことを決定。「ノミネートされた作家や翻訳家の(出身)国/地域が掲載され、呉明益氏は『台湾』と表記する」と声明で発表した。
主催団体にとっては妥協案とも見られるが、ウェブサイトには4日以降新たに、ノミネートされた作家らのリストに「(出身)地域」が加わることになった。(c)AFP