薬物疑惑のアルバレス、ゴロフキンとの再戦をキャンセル
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【4月4日 AFP】薬物検査で陽性反応を示したボクシング、元世界ミドル級王者のサウル・アルバレス(Saul Alvarez、メキシコ)が3日、5月5日に予定されていた同階級3団体統一王者のゲンナディ・ゴロフキン(Gennady Golovkin、カザフスタン)との再戦をキャンセルした。
アルバレスのプロモーターであるゴールデン・ボーイ・プロモーション(Golden Boy Promotions)社のエリック・ゴメス(Eric Gomez)会長はこの日、「5月5日の再戦はキャンセルせざるを得ないだろう」と米ロサンゼルスに集まった報道陣にコメント。一方、すでに米ネバダ州アスレチック・コミッション(NAC)から暫定的な資格停止処分を受けていたアルバレス本人は、自身は「クリーンなファイター」だと声明で主張している。
カネロ(Canelo)の愛称を持つアルバレスは「起きてしまったこと、そして私の誠実さを怪しんだり、疑問に思ったりしている人々には、本当にショックを受けている。私はこれまでも、そして今後もクリーンなファイターだ」とした上で、「この一戦のプロモーションに関わったすべての人々、そして何よりファンに謝罪したい。私はこの競技をリスペクトしている。今後も常にクリーンなファイターであり続ける」と語った。
アルバレスとゴロフキンは昨年9月、ロサンゼルスで初めて拳を交えたが、その時は物議を醸す判定の末に引き分けに終わった。しかし、中立的なファンの意見の多くは、ゴロフキンの勝利で一致していた。
Tモバイル・アリーナ(T-Mobile Arena)で行われる予定だった両者の再戦は、2018年を代表するファイトになるだろうとみられていたが、アルバレスが2月17日と20日に実施された薬物検査でクレンブテロール(clenbuterol)に陽性反応を示し、実現は不透明な状況となった。
アルバレスとゴールデン・ボーイ社は一貫して不正行為を否定し、禁止薬物が体内に入った原因は、母国メキシコ産の汚染肉を食べたことによる過失だと主張。一度は再戦が予定通り行われる見通しとなったが、3月23日にNACが同選手に暫定的な資格停止処分を科し、今月10日に聴聞会を開くとしたことで、再び開催の危機に陥っていた。
一方、故意に運動能力向上薬を使ったとして、これまでもアルバレスを非難してきたゴロフキンは、戦う準備ができているとしており、現時点で対戦相手は未定だが、5月5日に試合を敢行するつもりだと声明で述べている。
理論上は、アルバレスには今回の陽性反応で最大1年の資格停止処分を科される可能性があるが、初犯であることに加え、NACの調査に協力していることを考慮すれば、処分は6か月に短縮されることもあり得る。
そして、ボクシングの薬物処分は陽性反応を示した日にさかのぼって適用されるため、アルバレスの処分が仮に6か月だった場合は、メキシコの独立記念日に当たり、ラスベガスでは人気の枠となっている9月中旬の週末に、ゴロフキン戦を再調整することが可能となる。(c)AFP