「金持ち病」で飲酒死亡事故、2年で釈放 米
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【4月3日 AFP】飲酒運転で死亡事故を起こしたにもかかわらず、裁判で弁護側の証人が「金持ち病(アフルエンザ」を患っていると主張したことでメディアの注目を集めた米テキサス州出身の男が2日午後、2年ぶりに釈放された。
イーサン・カウチ(Ethan Couch)元受刑者は、16歳だった2013年にピックアップトラックを運転して歩行者の列に突っ込んだ後、別の車両とも衝突する事故を起こし4人が死亡した。血中からは、法定上限の3倍近いアルコールが検出されていた。
テキサス州タラント(Tarrant)郡保安官事務所の広報担当者デービッド・マクレランド(David McClelland)氏はAFPに対し、「われわれの管理下で保護観察処分となった」ことを明らかにした。米ABCの取材に応じた担当弁護団によれば、保護観察期間は6年だという。
この事故をめぐっては、当時、裁判に出廷した心理学者が、富豪の両親を持つカウチ元受刑者は「アフルエンザ」なる病を患っていると弁護したことが現地メディアによって大々的に報じられた。アフルエンザは、「裕福」という意味の「アフルーエンス(affluence)」と「インフルエンザ(influenza)」を掛け合わせたもので、経済的に恵まれている出自により自身の行動がもたらす結果を理解できない状況に陥っていることを意味する。
検察側は禁錮20年を求刑したが、精神衛生治療と10年間の保護観察処分という判決が下り、刑が軽過ぎるとして、多くの国民の怒りを買っていた。(c)AFP