【4月3日 東方新報】中国の動画共有サイト2社の経営が、明暗を分けている。

「ビリビリ動画」(bilibili)が3月28日、米ナスダック(NASDAQ)市場に上場した。一方、ライバルのアリババ(Alibaba)系AcFun(Anime Comic Fun)は同日、ニュース配信の今日頭条(Jinri Toutiao)がアリババから事業を引き継ぐと一部で報じられた。

 AcFunは経営体制に問題はないと強調しているが、2月2日午前から10日間、クラウドサービス会社への代金未払いが原因で、アクセスできなくなった。また、社員への給料未払い問題も発覚した。

 AcFunは資金難に陥っているとされ、出資を巡る交渉も難航しているという。背景には収益力不足があり、AcFunの2015年の売上高は約364万元(約6156万円)で、純損失は1億1300万元(約19億1100万円)の赤字だった。16年の1~9月の売上高は約71万元(約1200万円)で純損失1億4600万元(約24億6900万円)を計上した。約3626万元(約6億1328万円)の資産総額に対し、負債額は1億4800万元(約25億円)となっている。

 一方、ビリビリ動画の業績は順調に推移。売上高は15年に1億3100万元(約22億1500万円)、16年に5億2330万元(約88億5080万円)、17年に24億6840万元(約417億4920万円)と、拡大を続けている。

 業界関係者は、「AcFunはユーザーに課金していないが、ビジネスモデルを確立できていない。対してビリビリ動画はモバイルゲームや広告、生放送などの付加価値サービスを提供し成功している」と指摘した。(c)東方新報/AFPBB News