「偏見のない社会を」熱い気持ちが原動力 日本初のゲイコンテスト、東京で
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【4月3日 AFPBB News】性的少数者(LGBTQ)の認知と理解の向上を目指し、国内初のゲイコンテスト「ミスター・ゲイ・ジャパン(MR GAY JAPAN)」が1日、東京・渋谷で開催された。面接などで選ばれた5人のファイナリストが、今年5月に行われる世界一のゲイを決める「ミスター・ゲイ・ワールド(MR GAY WORLD)」南アフリカ大会への出場をかけて競い合った。
同コンテストは、交流サイト(SNS)を通じて3000人以上が事前投票しており、当日の投票と合わせて優勝者を選ぶ仕組み。ファイナリストたちは、女優の東ちづる(Chizuru Azuma)さんや性的少数者について発信を続けるユーチューバーのかずえちゃん(Kazue-chan)ら審査員と来場者170人の前で、下着姿でのウオーキングやスピーチでそれぞれの個性をアピールした。
経歴もさまざま。楽器販売の会社経営者のほか、外資系企業社員、遺伝子研究の学位を持つキャビンアテンダントなど。スピーチでは、それぞれ今後の展望や目標を披露。HIV(エイズウイルス)に感染した子どもたちへの支援活動について紹介する人や、中にはパートナーとの結婚宣言をする人もいるなど、それぞれの人生が垣間見られた。
「多くの選択肢をあきらめてきたが、そういう思いは自分で最後にしたい」。あるファイナリストは、40歳にして初めて公の場でカミングアウトしたといい、聞き入る来場者の中には目頭を押さえる人もいた。
初代日本代表に選ばれたのは、都内の学校で国語教師をしているSHOGOさん(33)。SHOGOさんは、オーストラリアでの8年間の教員生活を経て、昨年に帰国。日本で入会したスポーツジムで、性同一性障害への差別的な表現を目にしたことで、LGBTQへの理解を深めてもらいたいと今大会に応募を決意した。
スピーチでは、自分の足元の教育現場から見直そうと、真偽の入り交じった情報にさらされる子どもたちに向けて、病気の知識を含めた性教育の必要性を訴えた。
「ゲイやストレートなどレッテルを貼らずに、自分自身や指導のあり方を見てほしい」と話すSHOGOさんは、ゲイであることを職場で声高には主張していないが、会場には勤務先の校長が応援に駆けつけてくれたという。「世界大会行きの休みを申請しないと」と笑顔を見せた。
同コンテストは、外見の魅力だけを判断する場ではないという。クリエーティブディレクター、市川穣嗣(Georgie Ichikawa)さんは、「社会をより良くするために、間違っていることに声を上げ、物事を動かそうと熱い気持ちを持った人をロールモデルとして選出していきたい」と話し、継続的な開催に意欲を示している。(c)AFPBB News