【4月2日 AFP】故郷パキスタンに一時帰国していたノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者のマララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)さん(20)が2日、4日間の感動の帰郷を終え、再び英国へ向かった。

 マララさんは29日、極秘に計画されていた故郷のスワト渓谷(Swat Valley)訪問を実現。同地に戻るのは、2012年にイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(TTP)」に銃撃されて以来、5年以上ぶりとなった。

 首相官邸で歓待を受けたマララさんはテレビ放送された演説の中で、いつか帰郷することが「夢」だったと涙ながらに語った。

 マララさんは訪問中、同国最大の民放ジオ・テレビ(Geo TV)とのインタビューで、2012年と現在のパキスタンには「疑いなく違いがある」と述べるとともに、「状況は良くなっている。人々は団結しつつあるし、より良いパキスタンのための活動も続いており、人々は積極的だ。とても素晴らしい」と話した。

 また将来、首相を目指したいと話しているマララさんは「学業を終えたらパキスタンに戻るのが私のプランだ」と答えている。

 パキスタン北西部は米国などから、依然武装勢力の安全な隠れ家となっていると非難されている。弁明に追われるパキスタン政府はスワトを、過激派との長い戦いにおけるサクセスストーリーと位置付けてたたえており、マララさんの訪問も非常に象徴的な機会となった。

 パキスタンを離れて以降、人権擁護の世界的シンボル、また女子教育活動家となったマララさんは、2014年にノーベル平和賞を受賞。英オックスフォード大学(University of Oxford)で勉学に励むかたわら、女子教育推進活動を続けている。(c)AFP