【4月1日 AFP】レース中のクラッシュで2017年に両脚を失った英国の義足のドライバー、ビリー・モンガー(Billy Monger)が31日、英国フォーミュラ3選手権(British Formula Three Championship)でレースに復帰し、表彰台フィニッシュを果たした。

 18歳のモンガーは、英北西部のオウルトン・パーク(Oulton Park)で行われた大会で3位に入った。モンガーは昨年4月、フォーミュラ4のレースで静止していた別のマシンに激突。3日間にわたり昏睡(こんすい)状態に陥り、約1か月間の入院生活を送った。

 モンガーは「少しうそみたいな感じもするけど、最高の気分だ。レースに戻れただけでもね。新年初戦で表彰台にあがることになるよとレース前に誰かから言われていたら、多分うそをつけと答えてただろう。コースに出られて最高だったし、さらに戦えるのも証明できたなんて、これ以上ない結果だ」とコメントした。

 悲劇に見舞われたモンガーだが、モーターレース界からは多くの支援の手が差し伸べられ、フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)からは現世界チャンピオンのルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)をはじめ、元王者のジェンソン・バトン(Jenson Button)氏やニコ・ロズベルグ(Nico Rosberg)氏らが寄付に応じ、120万ドル(約1億3000万円)の支援金が集まった。

 モンガーは「チェッカーフラッグを目にしたときは、何よりも少しほっとした。冬の間みんなで頑張ってきたのがやっと報われたし、こんなふうにみんなにお返しできて本当に良かった」と話した。(c)AFP