ロシア、23か国の外交官追放 元スパイ襲撃で対立激化
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【3月31日 AFP】ロシアは30日、英国で起きたロシア人元二重スパイ毒殺未遂事件をめぐり、欧米諸国が実施したロシア外交官追放措置への報復として、ロシアに駐在する23か国の外交官を国外退去処分とした。同事件を発端とした外交官追放の応酬は近年最大規模に激化している。
ロシア外務省は、欧州連合(EU)加盟国を中心とする23か国の大使らを呼び、各国外交官のうち一部の国外退去を求めたと発表。これに先立ち同省では、フランス、カナダ、ドイツ、オーストラリアなどの外交官が、国旗の付いた公用車で到着する姿が目撃されていた。
フランス、ドイツ、ポーランドはそれぞれ、外交官4人が退去を命じられたと表明した。ほかにも、オランダ、スウェーデン、チェコ、フィンランド、リトアニアの外交官や、ウクライナの外交官13人も退去を命じられている。
一連の応酬の発端は、英イングランド南西部ソールズベリー(Salisbury)で今月4日、ロシア人の元二重スパイ、セルゲイ・スクリパリ(Sergei Skripal)氏と娘のユリア(Yulia Skripal)さんが神経剤で襲撃された事件。これ以降、英国と同盟諸国はロシア外交官を追放する措置で歩調を合わせており、ロシアによる外交官追放はその報復として行われた。
また、ロシア外務省は英国に対し、1か月以内にロシアに駐在する英国外交官を削減し、英国に駐在するロシア外交官と同数とするよう要求した。
ロシア政府は29日、米外交官60人に対する国外退去処分と、在サンクトペテルブルク(St. Petersburg)米総領事館の閉鎖を発表していた。この措置は、米側が駐米ロシア外交官を国外退去処分とし、在シアトル・ロシア総領事館を閉鎖したことを受けたものだった。(c)AFP/Anna SMOLCHENKO with Marina KORENEVA in Saint Petersburg