【4月6日 AFP】フランスで発見されたクロマニョン(Cro-Magnon)人男性の骨を調べたところ、顔が遺伝性疾患による良性腫瘍と思われるこぶで覆われ、額の中央に特に大きなこぶができていたことが分かったとする仏研究チームの論文が先週、英医学誌ランセット(The Lancet)に掲載された。

 クロマニョン1(Cro-Magnon 1)と名付けられた現生人類ホモ・サピエンス (Homo sapiens)の男性の骨は2万8000年前のもので、1868年に仏南西部ドルドーニュ(Dordogne)県レゼイジー(Les Eyzies)の洞窟で発見された。

 骨の発見から150年目を迎える今年、人類学者フィリップ・シャルリエ(Philippe Charlier)氏を含む研究チームが、骨の再調査を行った。その結果、「新たな診断を下した。彼は神経線維腫症の一種を患っていた」と、シャルリエ氏はAFPの取材に語った。

 神経線維腫症は遺伝性の病気で、神経系に良性腫瘍、皮膚に色素斑を生じさせる。

 法医学を使って再現された顔は一面腫瘍で覆われ、額には大きなこぶがある。小さいいぼも顔中にできていて、特に口、鼻、目の周りに集中している。 (c)AFP