銃乱射被害者の高校生やゆでスポンサー撤退、FOX司会者が謝罪
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【3月30日 AFP】米フロリダ州の高校で先月起きた銃乱射事件を生き延び銃規制強化を訴えている生徒をやゆしたとして非難を浴びていたFOXニュース(Fox News)の司会者ローラ・イングラハム(Laura Ingraham)氏が29日、同氏の番組のスポンサー企業が次々と撤退を表明したことを受け、謝罪した。
イングラハム氏は28日、生徒・職員17人が死亡した銃乱射事件が起きたフロリダ州パークランド(Parkland)のマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校(Marjory Stoneman Douglas High School)の生徒デービッド・ホッグ(David Hogg)さん(17)について、「願書を提出した大学4校で不合格となり、泣き言を言っている」とツイッター(Twitter)に投稿。「GPA(成績評価)4.1で、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)に落ちたんですって。合格者平均を見れば分かりそうなものだけど」とやゆした。
これに対しホッグさんは、イングラハム氏の番組の主要スポンサー企業のリストをツイート。自分のフォロワー62万8000人に向け、各社にクレームを入れるよう呼び掛けた。
その結果、世界最大級の口コミ旅行情報サイトのトリップアドバイザー(TripAdvisor)や、家具通販大手ウェイフェア(Wayfair)、ペットフード販売のニュートリッシュ(Nutrish)など複数の企業がスポンサー撤退を表明。食品大手ネスレ(Nestle)も協賛計画を中止したと報道された。
イングラハム氏は29日、ツイッターに「聖週間(Holy Week)の精神に基づきよく考えた上で、私のツイートが彼(ホッグさん)やパークランドの勇敢なる犠牲者の誰かを怒らせたり傷つけたりしたのなら謝罪する」と投稿した。
だが、ホッグさんはイングラハム氏の投稿は心からの反省の表明ではなく、スポンサーを引き留めようとしたにすぎないとして、謝罪を受け入れなかった。
「広告主をつなぎ止めるための謝罪では足りない。銃規制強化に取り組む僕や友人に対するFOXネットワークの取り上げ方をあなたが非難しない限り、あなたの謝罪を受け入れることはない。そろそろ子どもを中傷するのはやめて、隣人を愛してもいいのではないか」とホッグさんはツイートしている。
ホッグさんは事件当日、銃撃犯から身を隠しながら他の生徒たちにインタビューした動画がインターネットで拡散。事件後の銃規制強化を訴える生徒たちの中でも目立つ存在となったが、リベラル派の主張を広めるため金銭を受け取って悲劇を語っていると非難されるなど、ネット上で攻撃や嫌がらせを受けている。(c)AFP