【プロフィル】金正恩氏、いまだ謎に包まれた北朝鮮の指導者
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■謎に包まれた過去
一方、金氏は少なくとも公式プロパガンダにおいては、ソフトなイメージ戦略にも熱心に取り組んでいる。
公の場で笑顔を見せたり話したりすることがめったになかった父と違って、金氏のイメージは、視察や演説の際に官僚や兵士、市民とよくしゃべり、笑い、ジョークを飛ばす人物として入念に演出されている。
金氏は祖父の故金日成(キム・イルソン、Kim Il Sung)氏の髪形、服装、癖、公の場での話し方などをまねし、自身のイメージを何から何までつくりあげている。
しかし、若い頃は抗日闘争に明け暮れていた祖父と違い、金氏はぜいたくな暮らしを送ってきた。
金氏は故・金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記とその3番目の妻の故・高英姫(コ・ヨンヒ、Ko Yong-Hui)氏との間に生まれた。高英姫氏は日本生まれの朝鮮人で、2004年に乳がんで死去したとされる。
金氏の過去はいまだ謎に包まれており、正確な生年すら不明だ。
金氏はスイスに留学し、母方の叔母、高英淑(コ・ヨンスク、Ko Yong-Suk)氏夫妻の世話を受けた。
留学先の職員や友人は金氏が北朝鮮の統治者一族の一員と知らされていなかったとされ、金氏について、スキーとバスケットボール、アクション俳優ジャン・クロード・ヴァン・ダム(Jean-Claude Van Damme)が好きな、人見知りの男の子だったと語った。
金氏は8歳の誕生日に将軍の軍服を受け取り、朝鮮人民軍の幹部に頭を下げられた。そのとき、自身が北朝鮮の指導者となることを知ったとされる。しかし金氏がようやく表舞台に立ったのは2008年、父が倒れた後だった。(c)AFP