ロシア元スパイ、自宅で神経剤に初接触 英警察が発表
このニュースをシェア
【3月29日 AFP】(更新)英国でロシア人の元二重スパイとその娘が神経剤により襲撃された事件で、英警察は28日、親子が最初に神経剤に触れた場所は英国内の自宅だったと発表した。
英南部ソールズベリー(Salisbury)で今月4日に起きた事件では、襲撃されたセルゲイ・スクリパリ(Sergei Skripal)氏親子が現在も意識不明となっている。
事件を捜査しているロンドン警視庁(Metropolitan Police、Scotland Yard)は声明で、スクリパリ氏宅の表玄関のドアから「これまでで最も高濃度の神経剤」が検出されたと発表。「現捜査段階では、われわれはスクリパリ親子が表玄関のドアで最初に神経剤と接触したと考えている」と表明した。
スクリパリ氏親子襲撃事件は大きな波紋を呼び、世界各国で総計150人以上のロシア人外交官が追放される事態へとつながった。英政府は、事件で使用された毒物はソ連が開発した神経剤「ノビチョク(Novichok)」だったと発表し、事件にロシア政府が関与したと非難。一方のロシアは一切の関与を否定している。
ロンドン警視庁のディーン・ヘイドン(Dean Haydon)氏は、「刑事らが過去数週間にわたり調べてきた他の場所の一部からもこの神経剤の痕跡が検出されたが、その濃度は自宅から検出されたものより低かった」と説明。
またヘイドン氏は「スクリパリ氏の近隣住民は今後、この一環として捜査を実施する警官らの姿を目にすることになるが、危険性は依然として低く、また捜査は用心のためなので安心してもらいたい」とも付け加えた。(c)AFP