黒人射殺の白人警官2人不起訴 「黒人の命は大切」デモの発端
このニュースをシェア
【3月28日 AFP】2016年に米南部ルイジアナ州で黒人男性が警官に射殺された事件で、同州の司法長官は27日、関与した白人警官2人を不起訴処分にすると発表した。
同州バトンルージュ(Baton Rouge)で2016年7月5日に発生した事件では、コンビニエンスストア前でCDを売っていた黒人男性アルトン・スターリング(Alton Sterling)さんが白人警官のブレイン・サラモニ(Blane Salamoni)氏とハウイー・レイク(Howie Lake)氏ともみ合いになり、射殺された。
スターリングさんが撃たれる様子は携帯電話で撮影されており、動画はインターネットで公開された。これをきっかけに警官による黒人男性の射殺が人種差別問題として再燃し、全米に「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」をスローガンに掲げる大規模な抗議行動が広がった。
だが、ルイジアナ州のジェフ・ランドリー(Jeff Landry)州司法長官は27日の記者会見で、「捜査の結果、レイク、サラモニ両名は正当な身柄拘束を試みたものと結論する」と述べ、2人を不起訴とすると発表。さらにランドリー長官は、スターリングさんは銃を所持していた上に違法薬物を使用しており、身柄を拘束しようとする2人に抵抗したと述べた。
一方、スターリングさんのおばに当たるサンドラ・スターリング(Sandra Sterling)さんは、不起訴処分の決定に対し「人殺しを街角に戻すようなもの」と非難した。
捜査関係者によると、サラモニ氏は90秒に満たないもみ合いの間にスターリングさんの胸を3回撃ち、さらに背後からも発砲したという。(c)AFP/Chris Lefkow with Frankie Taggart in Los Angeles