「くそっ、死んだ!」 学校でゲーム eスポーツ急成長の中国
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【4月8日 AFP】「くそっ、死んだ!」と一人の学生が叫んだ──。数十人のほかの学生たちは猛烈な勢いでキーボードをたたいてビデオゲームを続けている。
授業中にビデオゲームをしている学生を見つけたら大半の教師は良い印象を受けないだろう。だが中国東部・済南(Jinan)にあるこの学校、藍翔高級技工学校(Lanxiang Technical School)ではビデオゲームが必修科目になっている。eスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)の優秀な競技者を養成して成長著しいこの産業の波に乗ろうという試みの一環だ。
かつてゲームといえば寝室にこもったティーンエージャーがしているイメージがあったが、複数のプレーヤーが高額の賞金を目指して競い合う対戦型のゲーム競技「eスポーツ」はいまや急速に成長している。
中国のインターネット調査会社iResearchの推計によると、中国でeスポーツの競技人口と観戦人口を合わせた数はすでに2億6000万人に上っている。多くの試合はオンラインで行われているが、スタジアムで数千人の観客を集めて行われる規模の大きな大会もある。
成長に減速の兆しは見えない。オランダに本拠を置くゲーム分野の市場調査会社Newzooは、eスポーツ産業の2018年の全世界の売上額は前年比38.2%増の9億600万ドル(約950億円)になると予想。中国だけでその18%を占めると見込んでいる。
ゲームは中国の大学910校ですでに団体競技とされている。藍翔高級技工学校のようにeスポーツでの勝利に必要な技術を積極的に教える教育機関も増えている。昨年9月に始まった同校のeスポーツコースは約50人の学生が履修している。
栄蘭祥(Rong Lanxiang)校長はAFPの取材に対し、「最初は多くの保護者がビデオゲームで遊んでいるだけだと思っていた」、「しかし実際はそうではなく、eスポーツは非常に高度なレベルにまで発展し、経済成長をけん引するまでになっている」と語った。