【3月28日 AFP】欧州宇宙機関(ESA)は、制御不能となった中国の宇宙実験室「天宮1号(Tiangong-1)」が4月1日ごろ大気圏に再突入し、壊れた残骸の一部が海や陸地に落下する見込みだと発表した。

 重さが少なくとも7トンある天宮1号について、ESAは声明で「高速で大気圏を通過することによって生じる高温で燃え尽きる」と述べている。

 一方で、ドイツのダルムシュタット(Darmstadt)を拠点にしている、宇宙からの落下物に詳しいESAのスタイン・レメンス(Stijn Lemmens)氏は、天宮1号の残骸の一部が海、または陸地に落下するとみている。ただ、人がけがをする可能性はほとんどないという。

 レメンス氏によると、残骸に当たる確率は1兆2000億分の1と、雷に打たれる確率の1000万分の1という。

 中国の有人宇宙計画で2011年9月に打ち上げられた天宮1号の行方については、ほとんど情報が明らかになっていない。公式ウェブサイトで毎日アップデートされている天宮1号の高度は緩やかに下がっており、27日時点の平均高度は207.7キロメートルだが、それ以外の情報はあまりない。

 国営新華社(Xinhua)通信は26日、ESAの話として、天宮1号は「地球の大気圏に再突入する際にすべて燃え尽きるはず」と伝えている。

 天宮1号は宇宙でのドッキング技術に関する実験に使われ、有人ミッション2回、無人ミッション1回が行われた。(c)AFP/Marlowe HOOD