■「女性用バイアグラ」は苦戦

 FDAは2015年、「女性用バイアグラ」としてメディアで話題となった「アディ(Addyi、フリバンセリン)」と呼ばれる薬剤を承認した。この薬剤は、性行為への関心を失った女性たちのための性欲向上をうたったものだ。

 この錠剤は、初めから物議を醸していた。

 抗うつ剤の一種であることから、アルコールとともに服用することが禁じられた上、価格も数百ドル(数万円)と高価で、悪心や嘔吐(おうと)、自殺願望といった重い副作用のリスクも伴っていた。

 性行為に関して言えば、高齢女性の主な問題は閉経に伴う膣の乾燥で、それが性交痛を引き起こす可能性がある。

 改善法として、ホルモン治療や膣を活性化させるレーザー治療などが行われる傾向にある。これらの治療法はまだあまり知られていないが、数十万ドルの治療費がかかるとされ、男性に対する治療法に比べて少なくとも20年は遅れているという。

 バイアグラは発売当初、1錠あたり約15ドル(約1600円)だったが、その後50ドル(約5300円)を超える価格にまで値上がりした。昨年ついに後発薬(ジェネリック)が解禁となり、価格は1錠あたり1ドル(約105円)未満に値下がりしている。(c)AFP/Kerry SHERIDAN