【3月27日 AFP】米公立学校における人種隔離の撤廃につながった1950年代の一連の訴訟で中心人物となったリンダ・ブラウン(Linda Brown)さんが死去した。同訴訟を率いた人権団体が26日、明らかにした。

 全米最大の人権擁護団体「全米黒人地位向上協会(NAACP)」はツイッター(Twitter)に、「画期的だったブラウン対教育委員会裁判(Brown v. Board of Education)の原告、リンダ・ブラウンが亡くなった」と投稿した。

 ブラウンさんは75歳か76歳だったと報じられている。死因は明らかにされていない。

 ブラウンさんは黒人学校よりも近くにあるカンザス州の州都トピカ(Topeka)の白人学校に入学を希望したものの断られ、父親のオリバー・ブラウン(Oliver Brown)さんが教育委員会を提訴した。

 この訴訟はデラウェア州、サウスカロライナ州、バージニア州および首都ワシントンでの同種の訴訟とともに最高裁に判断が委ねられ、同裁は1954年5月17日、満場一致で人種隔離は違憲であるとの判決を下した。この判決は米国における人種分離教育に終わりを告げたとして、公民権運動における歴史的瞬間と位置付けられている。(c)AFP