【3月27日 AFP】カナダのブリティッシュコロンビア(British Columbia)州バンクーバー(Vancouver)で、レストランのウエーターとして働いていたフランス人男性が「我が強く、態度も横柄で無作法だ」という理由で解雇されたことを不服として、レストラン経営者を州人権裁判所に提訴した。

 この男性、ギヨーム・レイ(Guillaume Rey)さんは自身の態度は「フランス人特有のもの」で行動規範に反したものではなく、解雇は「フランス文化に対する差別だ」と主張している。

 一方、レストランを経営するカラ・オペレーションズ(Cara Operations)は、レイさんは店の行動規範に違反していたと主張。レイさんの勤務評価を口頭と文書で伝えたがレイさんの態度は変わらなかったという。

 これに対しレイさんは、フランスの文化は「より率直で感情表現が豊か」になりがちなだけで、レストラン側の行為は差別にあたると訴える。レイさんによれば、解雇される原因となった自身の「率直で正直でプロ意識の高い性格」はフランスで受けたサービス業訓練で養われたものだ。

 レストラン側は訴訟の取り下げを申請したが、裁判所は既に公判日程を調整中だとして、取り下げは不可能とした。ただ裁判所側は、取り下げ申請却下が裁判の結果を示唆するものではないと説明し「職場において行動規範違反と見なされる誤解を招いた天性のフランス人らしさがどういうものなのか、レイ氏は説明しなくてはならない」と付け加えた。

 レイさんの態度は不快だったとされてはいるが、レストランでのレイさんの仕事ぶりが良好だったという点では両者とも一致している。(c)AFP