【3月27日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は26日、2026年W杯の開催地に名乗りを上げているモロッコと、共同開催を目指す米国・カナダ・メキシコの詳細な招致提案書を公開した。開催地決定については、W杯ロシア大会(2018 World Cup)が開幕する前日の今年6月13日にモスクワで開かれるFIFA総会で発表されることになっている。

 2018年ロシア大会と2022年W杯カタール大会(2022 World Cup)の招致プロセスに対して厳しい疑問の目が注がれ、組織内に大混乱が広がっていることを受け、FIFAはW杯の開催地を決めるアプローチを変更すると同時に、その選定過程で技術的評価が経済的に豊かな国に偏っているというアフリカサッカー連盟(CAF)の主張を否定し続けている。

 FIFAのジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長は同日、「FIFAが2026年W杯の開催を目指しているなか、公正かつ客観性、そして透明性に基づき招致活動を行っている組織を名指しするような人間は、誰であろうとも私は異議を唱える」と述べた。

 それぞれの招致提案書では、モロッコが最大の都市カサブランカ(Casablanca)に9万3000席を誇るスタジアムを含めた合計12会場を保持していると記載されているのに対し、米国・カナダ・メキシコは選定した合計16都市において、「世界規模のスタジアムが合計23か所、一流の練習施設が合計150か所ほど現存しているのに加え、近代的かつ相互乗り入れが可能な交通網がそろっている」となっている。

 今年4月には、元クロアチア代表のズボニミール・ボバン(Zvonimir Boban)氏やスイス人弁護士のマルコ・ビリガー(Marco Villiger)氏をはじめとするFIFAの技術評価委員が、双方の施設やインフラ整備を視察する予定となっている。

 こうしたFIFAの動きについて、モロッコメディアでは投票前に同国を候補地から脱落させる意図があるとの臆測が流れており、これに対してインファンティーノ会長は「事実無根」と否定している。

 一方、CAFの関係筋はFIFAの視察は不公平なものであるとして、「委員会の評価に大きな偏りがあっても、結論に対して異議を唱えることさえ許されておらず、これは公正さを欠くと同時に競合管轄の原則に違反するものである」と主張した。(c)AFP