【3月26日 AFP】フランス警察は25日、同国南部で発生した銃撃・立てこもり事件で人質の身代わりになった警察官について、その死を喜ぶようなコメントをツイッター(Twitter)に投稿した極左政党の国会議員候補を逮捕した。

 同国北西部ディーブシュルメール(Dives-sur-Mer)の自宅で同日逮捕されたのは、ステファヌ・プシエ(Stephane Poussier)容疑者。プシエ容疑者は、23日の事件後に亡くなったアルノー・ベルトラム(Arnaud Beltrame)中佐について、その死を喜ぶ投稿をツイッター上で2回行っていた。

 プシエ容疑者は、「警察官が撃たれるたびに…私は友人のレミ・フレス(Remi Fraisse)を思い出す」と書き、2014年にダム建設への抗議デモで、警察が放ったスタングレネード(威嚇用手投げ弾)によって死亡した環境保護活動家の名に言及。「しかも今回は中佐だったとは、素晴らしい! 加えて、(エマニュエル・)マクロン(Emmanuel Macron)大統領への投票者が1人減ったことになる」とツイートした。

 プシエ容疑者のコメントは激しい非難を呼び、同容疑者のツイッターアカウントは閉鎖された。地元のダビド・パマール(David Pamart)検察官がAFPに明かしたところによると、プシエ容疑者はテロ行為を正当化した容疑で逮捕されたという。

 有罪と認められれば、最高で禁錮7年と10万ユーロ(約1300万円)の罰金が言い渡される可能性がある。

 ベルトラム氏は23日、同日の一連の襲撃で既に3人を殺害していたラドゥアヌ・ラクディム(Radouane Lakdim)容疑者の人間の盾にされていた女性の身代わりになることを自ら申し出。その際に銃で撃たれた上、刃物で刺されたけがが原因で死亡した。

 マクロン大統領は、ベルトラム氏が「英雄となって逝った」と称賛。同氏に対しては、国を挙げての追悼式典が予定されている。

 プシエ容疑者は昨年の総選挙で、極左のジャンリュック・メランション(Jean-Luc Melenchon)氏が創設した政党「不屈のフランス(France Insoumise)」から議員に立候補し、落選していた。(c)AFP