【3月25日 AFP】シリアの首都ダマスカスの近郊、東グータ(Eastern Ghouta)で24日、最後から2番目の反体制派支配地区から戦闘員と民間人が退去した。政府側は東グータでの戦いでまた一歩勝利に近づいた。

 政府側は2月18日から、首都近郊最後の反体制派支配地区である東グータにロシアの支援も受けて激しい攻撃を加え、反体制派の支配地は東グータの10%未満にまで減っている。在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、東グータへの攻撃で民間人1600人以上が死亡した。

 攻撃で分断され、それぞれ異なる反体制派勢力が支配していた東グータの3か所から戦闘員を一掃するため、政府側は撤退交渉を行ってきた。分断された3か所のうち2か所では既に撤退合意が成立し、最後に残された東グータ最大の町ドゥマ(Douma)周辺についても撤退交渉が進められている。

 先週反体制派イスラム武装組織「アフラール・シャーム(Ahrar al-Sham)」の戦闘員とその家族が東グータのハラスタ(Harasta)の町を出たのに続き、今回は反体制派組織「ファイラク・ラーマン(Faylaq al-Rahman)」が東グータから撤退した。

 国営シリア・アラブ通信(SANA)によると、戦闘員と民間人の計981人が分乗したバス17台が24日夜、東グータを後にした。

 シリア国営テレビによると、今回退去したのはファイラク・ラーマンが支配していた東グータのザマルカ(Zamalka)、アルビン(Arbin)、ジョバル(Jobar)、アインタルマ(Ain Tarma)にいた人たちで、バスで北西部イドリブ(Idlib)県に向かうという。

 東グータからの退去は25日も続く見込みで、今回の撤退合意に基づき東グータを退去する人の総数は7000人に上るとみられている。(c)AFP/Maher al-Mounes with Abdulmonam Eassa in Arbin