【3月23日 AFP】イングランド・プレミアリーグのバーンリーFC(Burnley FC)でGKを務めるニック・ポープ(Nick Pope)は、かつて朝4時に起きて牛乳配達をするアマチュア選手だった。その彼が今、イングランド代表としてW杯(World Cup)に出場するという夢をつかみかけている。

 現在25歳のポープは、イングランドのサッカーピラミッドを一気に駆け上がってきた選手で、わずか4シーズン前には当時5部のクラブでプレーしていた。

 故郷のクラブであるイプスウィッチ・タウン(Ipswich Town)から16歳で放出されたときは、「最低最悪」の気分を味わい、プロになる夢は終わったと思ったという。

 それでも、ポープは7部のベリー・タウンFC(Bury Town FC)からやり直し、チャールトン・アスレチック(Charlton Athletic)と下部リーグの無数のチームへの期限付き移籍を経てトップレベルへ這い上がると、2016年にバーンリーに加入した。

 オランダとイタリアとの親善試合に備え、最新設備の整ったセントジョージズ・パーク(St. George's Park)の代表施設で準備を進めるポープは「僕がくぐり抜けてきたリーグには、冷たくて暗い場所もあって、代表ははるか遠くの出来事のように思えたよ」と話している。

 ポープはバーンリーでも正守護神ではなかったが、昨年9月にトム・ヒートン(Tom Heaton)が肩を脱臼したことでプレミアデビュー。それからわずか半年の間に11回の無失点を達成し、クラブ新記録となる勝ち点43を獲得してのプレミア7位躍進に貢献している。

 ポープは「大きなチャンスだ。ここへ来られたのは、僕の人生でも最高の瞬間の一つだ。一緒にいる仲間に、そしてもちろん監督に、僕の力をアピールしたい」と話している。

 今のポープは、かつて夢のまた夢だった場所に控え選手として呼ばれただけでは満足しておらず、6月18日のW杯ロシア大会(2018 World Cup)のチーム初戦、チュニジア戦に先発出場することも目指している。

「みんながそこを目指しているし、それが僕だったらいいと思っている。国を代表して戦えることもそうだけど、W杯へ行けたらすごく光栄だ」 (c)AFP/Kieran CANNING