米銃規制改革に加勢する退役軍人たち
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【3月21日 AFP】米軍の海兵隊に18年以上所属し、イラクへ2回派遣された経験のあるデーブ・バリルさん(42)は銃の所有者だ。
だが、2月に米フロリダ州パークランドの高校で10代の若者が銃を乱射し、17人を殺害した事件の後、バリルさんは私物の半自動ライフル銃「AR15」を地元の警察署に持って行き、廃棄して欲しいと届け出た。フロリダの事件は、国内の学校で起きた発砲事件として過去5年間で最多の犠牲者を出した。
バリルさんは、全米の銃暴力を減らす取り組みとして銃規制の厳格化を呼び掛けている退役軍人団体の一員だ。彼らは武器や戦争に関する自分たちの知識、そしてその経験を強みとして銃規制をめぐる議論に参加している。
昨年ラスベガスのコンサート会場で起きた銃乱射事件や、パークランドの高校の発砲事件によって「完全に目覚めた」と話すバリルさん。彼は、武器保有権を保障する合衆国憲法修正第2条については全面的に支持している。「だが、軍が戦車を保有しているからといって、われわれ皆が戦車を乗り回していいわけではない」とも話す。
現行の銃規制が変わらなければ、近年続いている無差別の発砲事件は今後も繰り返され、悪化する恐れすらあるとバリルさんは考えている。「狂気とは、何度も同じことを繰り返しておきながら、違う結果を期待することだ」
ラスベガスとパークランドの事件では、いずれも半自動ライフル銃「AR15」が使われた。この銃は「バーストファイア(連射機能の一種)」モードはついていないが、米軍が支給する「M4」に似た銃だ。
パークランドでの事件後、バリルさんはツイッター(Twitter)でハッシュタグ「#VetsForGunReform(銃規制改革のための退役軍人)」を立ち上げ、他の退役軍人数人にも支持してもらえないかと声をかけた。以降、このハッシュタグは同じ思いを持つ退役軍人のためのソーシャルメディア上の結集点となっている。
「私たちには他にも仕事があるので、今のところはボランティアの寄せ集め集団のようなものだ。だから自分たちができる範囲でこの活動を行っている」と語るのは、攻撃用ヘリコプター「コブラ」の元操縦士で銃所有者のキリアンヌ・ハンターさん。海兵隊に12年近く所属し、イラクやアフガニスタンへも派遣された。