【3月20日 AFP】今週から米フロリダ州で行われるテニスのマイアミ・オープン(Miami Open 2018)でセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)がタフなドローになったことを受け、大会ディレクターのジェームス・ブレーク(James Blake)氏が19日、シーディング(シードのつけ方)のルール見直しを協会側に求めた。

 四大大会(グランドスラム)で通算23勝を誇るセレーナだが、第1子の妊娠・出産で13か月にわたり戦列から離脱したことで、今大会にはノーシードとして出場する。これについてブレーク氏は、女子テニス協会(WTA)の現行ルールだと、セレーナが産休を取ったことで実質的にペナルティーを科せられた状況になっていると考えている。

 長期離脱によって世界ランキングが現在491位まで落ちている36歳のセレーナは、大会に予選から出場することを避けられるよう、12か月間は最大8大会でプロテクトランキングを使用することができるが、この制度はシーディングには適用されない。また、過去には長期離脱明けの選手に特別シードがつけられたこともあったが、そのルールはすでにWTAが廃止している。

 公式戦復帰となった前週のBNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2018)でセレーナは、3回戦で姉ヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams、米国)の前に敗退。姉妹としては、2回戦で顔を合わせた1998年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament)以降、最も早いラウンドでの対戦となってしまった。

 こうした状況を受け、新たにマイアミ・オープンの大会ディレクターに就任したブレーク氏は、WTAのセレーナに対する扱いは厳しいと考えており、「産休を取得したような選手たちは保護されるべきだ。こういったことが起きてはいけない。彼女はこれまでに今大会のタイトルを何度も獲得しているのだから、保護が必要だ」とAFPに語った。

 また、自身も元選手であるブレーク氏は「彼女がけがをしたり、競技への情熱を失ったりしたわけではない。子どもが生まれたんだ。それは全ての人が祝うべきことであるし、復帰する時はシード選手としての猶予期間があるべきだ」とすると、「まるで厳罰みたいだ。彼女が2人目の子どもをつくろうとしない限りは遅すぎるかもしれないが、彼らがこの問題について再考してくれることを願っている」と続けた。

 過去に8度制した経験を持つ「ホーム」大会のマイアミ・オープンでセレーナは21日、BNPパリバ・オープンでツアー初優勝を飾った20歳の大坂なおみ(Naomi Osaka)と初戦を戦う。 (c)AFP/Steve Brenner