【3月20日 AFP】2016年の米大統領選でドナルド・トランプ(Donald Trump)陣営に関わった英データ分析会社、ケンブリッジ・アナリティカ(Cambridge Analytica)が、交流サイト(SNS)大手フェイスブック(Facebook)のユーザー約5000万人の個人情報を不正に取得・使用していたとされる問題で、米国務省が同社の親会社と50万ドル(約5300万円)規模の契約を交わしていたことが分かった。

 AFPの取材に応じた国務省職員は19日、ケンブリッジ・アナリティカの親会社であるストラテジック・コミュニケーションズ・ラボラトリーズ(Strategic Communications LaboratoriesSCL)と、同省傘下のグローバル・エンゲージメント・センター(Global Engagement Center)が契約関係にあると明らかにした。

 ニュースサイト「ディフェンス・ワン(Defense One)」が米政府サイト内で発見した契約に関する公開記録によると、契約額は49万6232ドル(約5300万円)に上り、昨年2月17日にSCL側に支払われたという。

 また同職員によると、SCLとの契約は「テロリストの宣伝活動や海外に向けた偽情報に対応する、国務省の任務に関連した調査分析の支援」の提供を約束するものだという。

 グローバル・エンゲージメント・センターはイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」などの過激派武装グループによるオンライン上での宣伝や戦闘員募集活動を阻止する目的で、バラク・オバマ(Barack Obama)前政権下で設立された。

 一方、ケンブリッジ・アナリティカは2013年に選挙運動に対する支援を開始。しかし、2016年の米大統領選でトランプ陣営にサービスを提供していた同社がフェイスブックユーザー約5000万人のプロフィルをひそかに作成していたとの疑惑が浮上したことを受け、フェイスブックはケンブリッジ・アナリティカのアカウントを停止した。(c)AFP/Dave Clark