【3月19日 AFP】ロシアで18日に投票が行われた大統領選挙は即日開票され、20年近くにわたって権力を握ってきた現職のウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)氏が圧倒的な得票率で再選を決めた。通算で4期目となる。

 政治的な後継者もライバルもいないプーチン氏。6年の任期が終わる2024年にはどのようなシナリオが考えられるだろうか。

■退任して後進に道を譲る

 ロシアの憲法は大統領の任期を連続2期までとしているため、憲法を改正しない限り、プーチン氏は72歳になる2024年の大統領選で5回目の出馬はできない。そのため、24年間にわたる権力を同年に手放し、後進に道を譲る可能性も考えられる。

 今のロシア政治は、テクノクラート(技術部門出身の官僚)と、治安・国防機関の出身者いわゆる「シロビキ」との派閥争い一色となっている。

 今月10日に公開された米NBCのインタビューによると、プーチン氏は、自身の後継者について2000年からずっと考えてきたと発言。「しかし、最終的にそれが誰になるかについてはロシア国民が決めることだ」と述べている。

 だが、プーチン氏に対抗できる人物がいないことは確かで、後継者を務められるほど支持率が高い政治家も今はいない。多くの専門家は、プーチン氏が6年後に政権の座を手放す可能性は低いとみている。

■2008年同様、一度首相になって再び大統領に

 プーチン氏が2024年後もロシアを支配し続けるために考えられる方法の一つは、大統領以外の立場で権力を握り続けることだ。

 2008年に取った手法を再び取ることも考えられる。この年、プーチン氏は、大統領としてドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)氏を前面に出す代わりに自身は首相の座に就き、任期終了後の2012年に再び大統領に就任した。

 アナリストのニコライ・ペトロフ(Alexander Petrov)氏は、「プーチン大統領は権力を移譲する政権を用意している可能性がある。ただし、それはプーチン氏から別の大統領へではなく、プーチン氏から別のポストに就いたプーチン氏自身へだ」と主張する。

 だがプーチン氏がメドベージェフ氏に代わって再び大統領に就任したときにはモスクワで大規模な抗議デモが起きた。そのときの記憶が今も念頭にあれば、プーチン氏がこの選択肢を選ぶ可能性は低いかもしれない。

 また、このシナリオにはもう一つ難がある。それは年齢だ。憲法上、大統領選への出馬を許される2030年にはプーチン氏は78歳になっている。