「2018年の世界最優秀教師」、英ロンドン貧困地域の美術教師
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【3月19日 AFP】英国の最も貧しい地域の一つにある学校で美術を教える女性が、今年の「世界最優秀教師」に選ばれ、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで18日に行われた授賞式で賞金100万ドル(約1億円)が贈られた。
今年の「グローバル・ティーチャー賞(Global Teacher Prize)」を受賞したのはロンドン都心部のアルパートン・コミュニティー・カレッジ・オブ・ブレント(Alperton Community College of Brent)の美術・テキスタイルの教師アンドリア・ザフィラク(Andria Zafirakou)さん。世界の候補者約3万人のうち、最終選考に残った10人から選ばれた。
ドバイ首長ムハンマド・ビン・ラシド・マクトム(Mohammed bin Rashid al-Maktoum)氏とテリーザ・メイ(Theresa May)英首相が受賞を祝福した。
ザフィラクさんが教壇に立つブレントは、民族的に多様で恵まれない地域とされており、ザフィラクさんの生徒の多数は貧困家庭の出身だ。
主催者の声明によると、この地域では犯罪組織の暴力がはびこっており、ザフィラクさんは学校で困難な課題に直面したという。警察と密に協力して潜在的な問題と(ギャングの)勧誘者らを特定し、学校と街中で変化をもたらしている。
また民族的に多様な生徒の共感を呼ぶように学校のカリキュラムを変更。さらに生徒や親と交流するため、学校で話されている35の言語の一部の基礎を習得したという。
ザフィラクさんの熱心な取り組みが功を奏し、アルパートン・コミュニティー・カレッジは、イングランドとウェールズの学校を対象にした、生徒の成績の上昇率トップ5%に入った。
ドバイを拠点とするバーキー財団(Varkey Foundation)が主催する最優秀教師の授賞式は今年で4度目。受賞者は今後最低5年間教師を続けることを条件に、10年で計100万ドルを受け取る。(c)AFP