民族衝突で隣国に避難、前年はるかに上回る コンゴ民主共和国
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【3月17日 AFP】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は16日、民族間の衝突が続くコンゴ民主共和国北東部イトゥリ(Ituri)州から今年に入って隣国ウガンダに避難した人は5万7000人を超えたと発表した。
スイスのジュネーブで記者会見したUNHCRのババル・バローチ(Babar Baloch)報道官は今年の国外避難のペースは通年で4万4000人だった前年をはるかに上回っていると指摘。UNHCRによると難民らは主にアルバート湖(Lake Albert)を渡ってウガンダに入っているが、間に合わせのボートを使うためその旅は危険で、既に「複数」の人が命を落としているという。
イトゥリ州では牧畜民ヘマ(Hema)人と農耕民レンドゥ(Lendu)人が長年にわたって土地をめぐって対立している。AFPがまとめた非公式な統計によると、新たな衝突が起きた昨年12月からこれまでに少なくとも130人が死亡した。人道支援団体によると、約20万人が家を追われた。
UNHCRは、職員がイトゥリ州に行くのは困難になっているため現地の詳しい状況は不明だがレイプや殺人などの「恐ろしい暴力の報告」が届いており、生存者支援の取り組みを強化しているという。
ジョゼフ・カビラ(Joseph Kabila)大統領は2016年12月、憲法で認められた上限の2期目の任期が終わったが退陣を拒否。選挙はその後2度延期され、任期切れから2年遅れとなる今年12月に大統領選が実施される。カビラ大統領の今後をめぐる政情不安もあり、コンゴ民主共和国の情勢は緊迫化している。(c)AFP