【3月16日 AFP】英映画監督のテリー・ギリアム(Terry Gilliam)氏(76)は16日、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を告発する「#MeToo(私も)」運動について、「リンチ」に姿を変えてきていると指摘した。米ハリウッド(Hollywood)の大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)氏をめぐっては、一部の女性は確かに苦しんだが、それ以外はさらなるキャリアアップのために同氏を利用したという見方を示した。

 英コメディーグループ「モンティ・パイソン(Monty Python)」のメンバーでもあるギリアム氏はAFPの取材に対し、ワインスタイン氏は「モンスターの一人」であり、「世の中にはモンスターがたくさん居る…(今でも)ハーヴェイのように振る舞っている人物は他にも居る」として、映画業界にはセックスのために権力を乱用する者がいると認めた。

 ワインスタイン氏がやり玉に挙げられたのは、同氏が「嫌なやつで、あまりに多くの敵をつくったから」だと、ギリアム氏はみている。

 とはいえギリアム氏は、性的虐待やハラスメントについての一連の暴露に対する反応は醜いものになってきており、「単純化も甚だしい…人々は口にすることを、考えることを恐れている」と懸念を示した。

 さらに、権力の乱用は「ずっと起こってきた」というのが真実であり、「ハリウッドが変わるとは思わない、権力は常に利を得る。常にそうだしそうだった。権力をどう扱うかだ──皆おのおので責任を持たなければならない」と語った。(c)AFP/Rana MOUSSAOUI