【3月17日 CNS】政治協商会議全国委員で、中国空間技術研究院党委員会書記の趙小津(Zhao Xiaojin)副院長は4日に行われた記者会見で、月探査機「嫦娥(Chang'e)4号」は世界で初めて月の裏側への有人着陸を実現させることになると述べた。

 宇宙はビッグバンが起こった後、長い間暗黒の世界だった。そこには中性のガスがあるだけで、初代星はまだ形成されていなかった。月の裏側で「暗黒時代」に残された「情報」を見つけることができれば、宇宙の形成と進化の謎を解く手がかりになるかもしれない。

 中国は今年の上半期に「嫦娥4号」の中継衛星を発射させ、地球と月の引力が均衡するラグランジュ点L2の軌道に投入する。さらにその半年後には、「嫦娥4号」の着陸船と月面車を発射させる計画だという。

 趙副院長によると、「嫦娥4号」は2013年に月面着陸に成功した「嫦娥3号」のバックアップ機だが、2機の着陸方法と任務は異なる。「嫦娥3号」は弧を描くようにゆっくりと着陸するのに対し、「嫦娥4号」は素早く垂直に軟着陸できるという。また「嫦娥4号」は月の夜の期間に作業できるよう改良された。

 政治協商会議全国委員で、中国科学院国家空間科学センターの呉季(Wu Ji)研究員の説明では、「嫦娥4号」の中継衛星は月と地球間の遠距離通信と制御の問題を解決できるだけでなく、小型衛星を2機搭載し、月と地球の軌道上で超長波電波干渉イメージング実験を行い、宇宙の「暗黒時代」を探るという。

 趙副院長によると、中国は現在月探査プロジェクトの第4期を計画中で、将来は月面基地を建設する可能性もあるとみている。基地の建設と運営は人工知能(AI)ロボットを採用する考えだという。(c)CNS/JCM/AFPBB News