【3月16日 AFP】世界第2位のウラン生産国カナダは、二酸化炭素(CO2)排出量を削減するために原子力エネルギーへの依存度を高める方針であることを明らかにした。公営カナダ放送協会(CBC)が15日、伝えた。各国にも同様の措置を取るよう呼びかける意向だという。

 この動きは、同国のジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)政権が昨年12月に発表したばかりの気候変動政策に変化が生じたことを示すものと考えられる。12月の発表時には原子力エネルギーに言及していなかった。

 CBCの報道によると、カナダは5月にデンマークで開かれる閣僚会議で原子力エネルギー推進を訴え、この機会を利用して「気候変動に対抗するための国際努力の中心に原子力エネルギーを据える」意向だと、天然資源省のキム・ラッド(Kim Rudd)政務官が演説で明らかにしたという。

「5月に再びコペンハーゲン(Copenhagen)でクリーンエネルギー大臣会合(CEM)が開催される。われわれは、世界各国での低炭素経済への移行に関する広範なハイレベルの議論の中に原子力エネルギーが組み込まれることを確認した」と、ラッド政務官は述べている。

 これまでのところ、カナダ天然資源省のコメントは得られていない。

 原子力エネルギーは、化石燃料のように地球温暖化の原因となる温室効果ガスを排出することはないが、有毒の廃棄物が生成されるために賛否両論を呼んでいる。(c)AFP