【3月16日 AFP】サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子(32)の姉が、仏パリのマンションでボディーガードに改装作業員への暴行を命じたとして、フランス当局から逮捕状を出されていることが分かった。司法筋が15日明らかにした。

 逮捕状はサウジアラビアのハッサ・ビント・サルマン(Hassa bint Salman)王女に出されたもの。パリ西部の超高級住宅街、フォッシュ通り(Avenue Foch)にある同王女のマンションで2016年9月に暴行事件が発生し、これを受けて昨年12月末に逮捕状が交付された。複数の事情筋がAFPに明かした。

 同王女は40歳代とされる。作業員の話によると、王女は改装工事のために雇ったこの作業員が工事予定の部屋の写真を撮ったことに腹を立て、ボディーガードに暴行を命じた。王女は、写真を撮ったのはメディアに売り付けるためだと責め立てたという。

 仏誌ルポワン(Le Point)によれば、王女は「こいつを殺せ。犬め。生きる値打ちなどない」と叫んだとされる。

 作業員は、顔を殴られ、両手を縛られたほか、数時間に及ぶ暴行の間、王女の足に口づけするよう強要されたと話している。ようやく帰宅が許された際には、工具を取り上げられたという。

 サルマン皇太子は中東の指導者の中でも最有力者の一人で、今後数週間のうちにパリを訪問するとみられている。この事件によって、同皇太子との良好な関係の構築を目指すエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領の取り組みに困難が生じる可能性がある。(c)AFP/Sophie DEVILLER and Katy LEE