【3月16日 AFP】米大統領選へのロシア介入疑惑の捜査を指揮するロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官が、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が創業した複合企業トランプ・オーガニゼーション(Trump Organization)に対し、ロシア関連の文書の提出命令を出したことが分かった。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が15日、関係筋2人からの情報として報じた。

 命令は過去数週間に出されたもので、トランプ・オーガニゼーションに対し、ロシアやその他の捜査中の問題に関するすべての文書を提出するよう求めている。モラー氏がこうした文書提出命令を同社に交付するのは、捜査開始以降初めて。捜査の手が一段と大統領本人に迫った形だ。

 モラー氏は大統領選のトランプ陣営とロシア政府の共謀疑惑についても調べており、最近はトランプ氏の政治活動に外国資金が与えた影響にまで捜査範囲を広げるような動きを見せている。

 トランプ大統領は昨年7月のニューヨーク・タイムズとのインタビューで、モラー氏が捜査範囲を広げ、ロシアとの関係だけでなくトランプ一族の資金調達まで対象にするのなら、「レッドライン(越えてはならない一線)」を越えることになると述べていた。

 トランプ・オーガニゼーションは声明を出し、文書提出命令を受けたことを直接は認めなかったものの、ニューヨーク・タイムズ紙の報道は「古いニュース」だと一蹴。サラ・サンダース(Sarah Sanders)大統領報道官は、今回の報道についてのコメントを求められ、「われわれは引き続き(モラー氏の捜査に)協力していく」と述べた。(c)AFP