英米仏独がロシア非難 元スパイ襲撃で異例の共同声明
このニュースをシェア
【3月16日 AFP】英国、米国、フランス、ドイツの4か国首脳は15日、英国で発生したロシア人元二重スパイ毒殺未遂事件を受けて異例の共同声明を出し、ロシア政府を名指しで非難した。一方、ロシア政府は、英政府が事件を受けてロシア外交官らに科した国外退去処分を「無責任」と批判し、直ちに報復措置を取ると宣言した。
事件は英イングランド南西部ソールズベリー(Salisbury)で4日に発生し、セルゲイ・スクリパリ(Sergei Skripal)氏と娘のユリア(Yulia Skripal)さんが、ソ連が開発した神経剤「ノビチョク(Novichok)」で襲われた。親子は現在も重体となっている。
4首脳は英政府が発表した共同声明で、襲撃事件は「英国の主権に対する攻撃」だと非難。ロシアに対し、ノビチョクを開発したソ連時代の化学兵器計画の「十分かつ完全な開示」を求めた。また、15日に初めて事件現場を視察したテリーザ・メイ(Theresa May)英首相は「協調姿勢」を取ることを確約した。
メイ首相は14日、ロシア政府に事件の「責任がある」と述べ、同国外交官23人を国外退去処分とするなどの措置を発表した。これを受けロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は、同国は英国の外交官を国外退去させることで応じると表明。この措置は「近く」実施されると述べた。(c)AFP/Dario THUBURN with Maria ANTONOVA in Moscow