【3月15日AFP】米ユナイテッド航空(United Airlines)の客室乗務員が、乗客が持ち込んだ子犬を頭上の荷物入れに収納するよう指示したところ、この子犬死んでしまい、同航空会社への批判の声が高まっている。

 飼い主カタリーナ・ロブレドさんは、2人の子どもとペットの子犬「コキート」と一緒にヒューストン(Houston)発ニューヨーク行きのユナイテッド航空機に乗り込んだ。同社では機内にペットを持ち込む場合、シートの下に完全に入るケースに入れるよう乗客に求めているが、コキートの入ったケースは通路に少しはみ出していた。そのため、頭上の荷物入れに収納するよう指示されたのだという。

 子犬は吠え続けていたが、機体は揺れが激しく、さらにロブレドさんは乳児を抱えていたため立ち上がることができなかった。3時間半後、荷物入れを開けたときには子犬は死んでいたという。

 ユナイテッド側は「2度と起こってはならないこの悲劇について、全責任を負う」と謝罪したが、この出来事はソーシャルメディア上で怒りを呼び、ユナイテッドは批判の嵐にさらされることとなった。

 ペットの機内持ち込みを許可している米航空会社の中でも同社は、飛行中にペットが死んだ例が最も多い。全米で昨年、機内に持ち込まれたペットは13万8178匹だったが、米運輸省によると、うち機内でペットが死んだケース全体の4分の3にあたる18匹はユナイテッド機に乗っていたとされる。また同社の機内では他にペット13匹がけがをしている。各社の機内でペットが死んだ例は、ユナイテッドが最多だった、少なくとも4年連続だという。

 精神的な問題において飼い主の心の支えとなる動物を「エモーショナル・サポート・アニマル」(ESA)と呼ぶ。近年、この風潮が広がり見せるなか、ペットを機内持ち込むケースも増えている。2月にはやはりユナイテッドの乗客が、ESAとしてクジャクを機内に持ち込もうとして同社がそれを許可せず、騒動となったこともあった。

 また米スピリット航空(Spirit Airlines)では、機内持ち込みが禁止されていると告げられたハムスターがトイレに流されてしまう出来事も起きている。