【3月13日 CNS】中国・北京市(Beijing)は今年、チベット自治区(Tibet Autonomous Region)や新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)、青海省(Qinghai)などの地域へ財政援助資金として50億4400万元(約848億1300万円)を投入し、貧困削減にあてる。

 北京市が実施している支援協力は、地域間での支援、貧困削減、協力、提携と、ほかの都市と共同で支援する複数地域提携がある。北京市が単独で行う貧困削減は7省・区の89地区と、他都市との共同事業も含めた支援提携は13省・市との間で実施している。

 北京市の対口支援経済提携工作領導小組弁公室の馬新明(Ma Xinming)主任は、「北京市の支援対象地域は主に少数民族地区や辺境地区などの『集中連片特殊困難地区』(訳:貧困地域が集中している地域)と特殊政策実施地域。『特殊困難地区』などの中でも、特に国家が深刻貧困地区と定めた地区は、貧困削減が最も難しいといわれている」と説明する。

 産業振興による貧困削減について北京市は、貧困地区の住民の収入増を図るため、特色を生かした提携を勧めている。成長企業を育てるために北京の企業に投資を呼びかけたり、提携地域の特産品の展示会を開催したり、Eコマースによる貧困削減モデルを模索したりする考えだという。

 また、貧困地区にあふれる労働力が安定した職に就けるよう、北京市は出稼ぎ者のサポートも行う。北京市の馬主任は、「労働力の需要と供給のマッチングのために、定期的に情報交換を行うとともに、就労のためのトレーニングにも力を入れる」と話した。

 また、「教育、医療、人材による貧困削減に力を入れるために、衛生やITなどの専門家による支援プロジェクトを増やし、関連施設の建設を進める」と強調した。

 北京市が昨年に投入した財政援助資金は56億8000万元(約958億2000万円)で、実施された援助プロジェクトは877項目に上り、46万6500人を貧困から救った。寄付された援助物資も含めると、合計8165万元(約13億7732万円)に相当する。(c)CNS/JCM/AFPBB News