「まるで刑務所」、視察委が英最大の移民収容施設に苦言
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【3月13日 AFP】英国の刑事施設視察委員会は13日、同国最大の移民収容施設であるハーモンズワース移民収容センター(Harmondsworth Immigration Removal Centre)で移民たちが「刑務所」のような環境下に置かれ、「度を超えて」長期勾留されていると苦言を呈する報告書を公表した。同施設に4年勾留された収容者もいたという。
ハーモンズワース移民収容センターは欧州でも最大規模の収容施設で、移民を希望する男性外国人を最大676人収容可能だという。
視察委の査察官らがロンドン西郊のヒースロー空港(Heathrow Airport)近くの同施設を訪れてまとめた報告書によると、退所直前の異議申し立てや書類の不備などにより、収容者の退所が計画通りに実現しないという状況が常態化していたという。
また収容者の退所が遅れたいくつかの例について、報告書は内務省の不手際が原因だったと結論付けた。
報告書によると施設の環境面では改善も見られたものの、不衛生な場所が多い上、トコジラミがまん延し、ネズミが巣くっている場所もあったという。
一方で改善された点として、向精神薬「スパイス(Spice)」などの医薬品が入手できる頻度が向上した兆候があったと評価した。
ピーター・クラーク(Peter Clarke)首席視察官は「収容者の安全面と尊厳面における多大な問題が見つかった」と述べ、「依然として収容期間に期限がないため、度を超えて長期間収容された人もいた」と同施設の問題点を指摘した。(c)AFP