シリア空爆で「ホワイト・ヘルメット」に初の女性死者
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【3月11日 AFP】シリア北西部イドリブ(Idlib)県の反政府勢力地域で10日に行われた空爆の犠牲者に、「ホワイト・ヘルメット(White Helmets)」の通称で知られるシリア民間防衛隊(Syria Civil Defence)の女性ボランティアが含まれていることが分かった。同グループから女性の死者が出たのは初めて。
ホワイト・ヘルメットによると、この女性ボランティアは同県カフルセジュナ(Kafr Sejna)の自宅が空爆に巻き込まれ、家族らとともに死亡した。ホワイト・ヘルメットは「彼女はホワイト・ヘルメット女性ボランティアの最初の犠牲者となった。彼女の働きは決して忘れ去られることはない」とツイッター(Twitter)で哀悼の意を示した。
ホワイト・ヘルメットの結成はシリア内戦が3年目に入ろうという2013年。以来、反政府勢力の支配地域で活動し、空爆などでがれきの下敷きになったり戦闘に巻き込まれて身動きが取れなくなったりした住民たちを数千人も救助してきた。3700人規模のボランティアは大半が男性だが、女性も含まれている。これまでに200人を上回るボランティアが死亡、約500人が負傷しているが、今回まで女性の犠牲者はいなかった。
活動資金は英独米など外国政府からの援助に頼っているが、グループのトレードマークであるヘルメットなどの装備購入費として個人からの寄付金も受け付けている。ヘルメットの購入費は一個145ドル(約1万5500円)かかるという。
グループの活動を記録した米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)制作のドキュメンタリー映画『ホワイト・ヘルメット-シリアの民間防衛隊(The White Helmets)』は、2017年の米アカデミー賞(Academy Awards)の短編ドキュメンタリー賞を受賞。デンマークとシリア合作の『アレッポ 最後の男(Last Men in Aleppo)』も今年のアカデミー長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた。(c)AFP