【3月10日 AFP】米カリフォルニア州ナパバレー(Napa Valley)のヨントビル(Yountville)で9日、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しむ退役軍人向けの全米最大の居住型カウンセリング施設「パスウェーホーム(The Pathway Home)」に銃を持った男が侵入し、人質にされたとみられる女性3人と容疑者の計4人の遺体が見つかった。

 事件は同日午前10時20分(日本時間10日午前3時20分)ごろ発生。カリフォルニア・ハイウエーパトロール(CHP)は記者会見で、同日午後6時(日本時間10日午前11時)の少し前に人質がいるとみられた部屋に突入したところ、女性3人と容疑者の男の計4人の遺体が見つかったと発表した。

 CHPは、最初に到着した保安官代理が容疑者と撃ち合いになり、これにより容疑者が他の場所に移動して犠牲者を増やす事態を防ぐことができたと述べた。

 突入に先立ち保安官事務所、ナパ警察、連邦捜査局(FBI)が数時間にわたって容疑者との接触を試みたが徒労に終わった。

 現地の報道によると3人の犠牲者はこの施設の職員。容疑者が意図的に狙ったのか、たまたま事件に巻き込まれたのかは分かっていない。

 地元紙サンフランシスコ・クロニクル(San Francisco Chronicle)は、容疑者はPTSDの治療プログラムを受けていた36歳の退役軍人とみられ、ライフル銃を持ち、首と腰の周りに銃弾を忍ばせていたと伝えた。同紙は同州上院のビル・ドッド(Bill Dodd)議員の話として犠牲者のうち1人はPTSD治療プログラムのクリスティーン・ローバー(Christine Loeber)事務局長だと伝えたが、今のところ犠牲者の身元について公式な発表はされていない。

 容疑者が解放した女性4人のうちの1人の夫だという男性は地元のニュース局ABC7 Newsに対し、その日に施設を去るスタッフ数人の送別会を開いていたところライフル銃を持った容疑者が入ってきたと語った。男は落ち着いており、その場にいた全員に話し掛けたという。

 自身の選挙区に今回の事件現場があるドッド州上院議員は、容疑者は数日前に施設からの退去を求められていたと明らかにした。(c)AFP/Frankie TAGGART