【3月10日 AFP】HIV(ヒト免疫不全ウイルス)治療薬の薬価をつり上げたことで「米国で最も憎まれる男」と呼ばれたマーティン・シュクレリ(Martin Shkreli)被告(34)に対し、米ニューヨークの連邦裁判所は9日、証券詐欺の罪で禁錮7年の量刑を言い渡した。

 製薬会社とヘッジファンドを経営していたシュクレリ被告は、2015年にHIV感染者の治療に使われる医薬品「ダラプリム(Daraprim)」の価格を1錠13ドル50セント(約1440円)から750ドル(約8万円)へと50倍に引き上げ、物議を醸した。

 今回の裁判は薬価つり上げ問題とは無関係の証券詐欺事件に関するものだが、被告の評判があまりにも悪かったため、裁判開始に当たっては、公平な陪審員が見つからないトラブルもあった。

 シュクレリ被告に対しては昨年8月、証券詐欺共謀1件と証券詐欺2件で有罪とする評決が下された。

 弁護人を務める著名弁護士のベン・ブラフマン(Ben Brafman)氏はキヨ・マツモト(Kiyo Matsumoto)判事に対し、被告には軽度の自閉症があるとして、量刑を1年6月以内にとどめるよう求めていた。

 一方の検察は、シュクレリ被告が自らの行為に何ら後悔の念を示さず、ソーシャルメディアに挑発的で異様な投稿を行ったことを挙げて、禁錮15年を求刑していた。(c)AFP