【3月9日 AFP】英イングランド南西部ソールズベリー(Salisbury)で、元二重スパイのロシア人男性が神経剤による殺害未遂被害に遭った事件で、英警察は8日、事件後に21人が治療を受けたと発表した。

 4日に起きた同事件では、2010年のスパイ交換で英国に移住したセルゲイ・スクリパリ(Sergei Skripal)氏(66)と娘のユリアさん親子が何者かに襲われ、商業施設の外にあるベンチで倒れているところを発見された。2人とも依然として意識不明の重体だが、容体は安定しているという。

 警察によれば、最初に親子を発見した警官の一人で、病院の集中治療室で治療を受けていたニック・ベイリー(Nick Bailey)氏は8日、ベッドの上で体を起こし話せる状態にある。

 ウィルトシャー(Wiltshire)州警察のキアー・プリッチャード(Kier Pritchard)本部長は、複数の警官を含む「21人前後」が治療を受けたと説明。うち一部の人々は病院で治療や血液検査などを受けたとされる。

 当局が使用された神経剤の種類の特定を急ぐ中、政治家らは、襲撃がロシアによるものであることを示す特徴があると警告している。

 英国のアンバー・ラッド(Amber Rudd)内相は4日、議会で事件を「ずうずうしく無謀」と非難。実行犯や首謀者を名指しすることは避けたものの、「(英国は)事実が明らかになれば、ためらいなく行動する」と述べた。(c)AFP/James PHEBY