心臓発作の豪看護師、自分一人で応急処置し九死に一生
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【3月8日 AFP】唯一の医療専門家としてオーストラリアの片田舎の診療所に勤務していた看護師の男性(44)が心臓発作を起こし、自らの応急処置で一命を取り留めた──そんな話題が7日付の米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に掲載された。
記事によると、男性は豪西部ウエスタンオーストラリア(Western Australia)州コーラルベイ(Coral Bay)の診療所で勤務中、胸の激しい痛みとめまいを覚えた。ただ、コーラルベイは州都パース(Perth)からは1000キロ以上、隣の診療所とも150キロ以上離れており、周囲に助けを求められる人は1人もいなかったという。
男性は自分の体を心電計につないで診断を行い、心臓発作が進行中であると確認。緊急遠隔医療サービスを通じて診断結果をメールで医師に伝え、ビデオチャットでやり取りできる救急医も見つけたという。
また両腕の静脈路を確保してアスピリン、抗凝血剤、鎮痛剤などを投与し、不整脈の治療に使われるアドレナリンなどの薬も用意。さらに除細動パッドも自分で装着するなどした結果、心臓発作は治まったという。
翌日、男性は空路でパースの病院に向かい、閉塞が進んでいた冠動脈にステントを挿入。その2日後に帰宅した。
専門家によると男性が行った自己治療はかなり思い切ったもので、人にお勧めできるものではないという。(c)AFP