【3月8日 AFP】IT企業の一大拠点となっている米カリフォルニア州シリコンバレー(Silicon Valley)周辺で地盤沈下が進んでおり、今後、これまでよりはるかに深刻な洪水に見舞われる恐れがあるとの論文が7日、米科学誌「サイエンス・アドバンシズ(Science Advances)」に発表された。海面上昇と相まって、洪水リスクは2100年までに倍増するとしている。

 米当局の洪水予測やハザードマップは今のところ海面上昇のみを想定して作成されている。

「地盤が沈下し、海面が上昇すれば、そのどちらかが単独で影響する場合よりもずっと内陸まで洪水は到達する」と、論文の主執筆者であるアリゾナ州立大学(Arizona State University)地球・宇宙探査大学院(SESE)のマヌチェフル・シルザエイ(Manoochehr Shirzaei)准教授は指摘する。

 論文によると、シリコンバレーのあるサンフランシスコ・ベイエリア(San Francisco Bay Area)では、大部分で年2ミリ程度の地盤沈下が起きているが「一部地域では沈下の速度が年10ミリか、それ以上だと判明した」という。

 特にリスクが高いのは埋め立て地で、たとえば年間20万便超が到着し5600万人以上が利用するサンフランシスコ国際空港(San Francisco International Airport)は「2100年までに滑走路と誘導路の半分近くが水没するだろう」と論文は述べている。(c)AFP